【筋トレ×論文】筋トレ前のストレッチ、アリ?ナシ?

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皆さんは筋トレ前にストレッチなどをしていますか?

そのストレッチにどの様な意味があって行っているのか?

はたまたトレーニング前のストレッチは意味があるのか?

この記事ではそんな筋トレ前のストレッチについて論文を元に解説していきたいと思います!

もくじ

筋トレ前のストレッチは動的ストレッチ?静的ストレッチ?

・2018年 フランスの研究
「動的ストレッチが筋肉の柔軟性とパフォーマンスに及ぼす急性効果」

ストレッチは、関節のROM(可動域)を広げるために古くから多くの身体活動で用いられてきました。
例えば、静的ストレッチを1回行った直後に、最大の随意筋(手足の筋肉など、意識的に動かすことができる筋肉)、筋力、又は誘発された収縮特性が著しく低下することが記録されており,他のストレッチ法への関心が高まっている。このように、静的ストレッチがその後の筋力パフォーマンスに及ぼす影響は疑問視されている。
このレビューでは、動的ストレッチング後のパフォーマンスと生理学的変化を調べることを目的としています。ROM(可動域)とその後のパフォーマンス(力、パワー、スプリント、ジャンプ)にプラスの効果があることを指摘する証拠はかなり多い。ROM(可動域)が大きくなるのは、主に筋-腱ユニットの硬さが減少することに起因すると考えられ、一方、筋パフォーマンスが向上するのは、動的ストレッチングに伴う自発的な収縮による温度と増強に関連するメカニズムに起因すると考えられます。
したがって、ウォーミングアップの目的が、関節ROM(可動域)を増加させ、筋力やパワーを向上させることであるならば、静的ストレッチに代わって動的ストレッチが適していると考えられる。
それにもかかわらず、変化がない、あるいはパフォーマンスに障害があると報告した多くの研究では、可能性のある緩和要因(ストレッチ時間、振幅、速度など)が強調されています。
したがって、より大きな速度で行う動的ストレッチである弾道ストレッチ(バウンドする動きを使用して、通常の可動域を超えて体を押します)は、制御された動的ストレッチよりも効果が低いと考えられる。
しかし、文献によると、ストレッチ方法の説明が一貫していないことが、明確なコンセンサス(合意)を得るための重要な障害となっている。

この論文で分かること

 

 トレーニング前の静的ストレッチ→✖️
         動的ストレッチ→◯
         弾道ストレッチ→✖️
したがって、ウォーミングアップの目的が、関節ROM(可動域)を増加させ、筋力やパワーを向上させることであるならば、静的ストレッチに代わって動的ストレッチが適していると考えられる。

                                    参考論文リンク

ストレッチにより筋力は変化するのか?

・2014年 日本の基礎理学療法研究部会
「ストレッチングのエビデンス」

 ストレッチングの効果としては、関節可動域(柔軟性)の改善の他に、筋緊張の低下、疲労回復、血流増加、傷害予防、スポーツパフォーマンスの向上などが一般的に挙げられている。しかし、ストレッチングがこのような効果があるかどうかに関してのエビデンスは不十分である

 ストレッチにより筋力は変化するのか?

筋力や筋パワーに関してはストレッチにより低下するとの報告が多くみられる 。ストレッチ筋力や筋パワーに及ぼす影響を調べた 42 論文(総計 1,606 人)をレビューした Behmらによると,これらの論文中で測定された等尺性筋力、等速性筋力、1 RM などの指標のうち 6 割以上で筋力が低下すると報告しており、“有意差なし”や“改善”を報告しているものよりはるかに多かった。報告された筋力の低下率は様々であるが(平均 ‒6.9%)、低下率が大きいものでは ‒19.1%にもなる。ストレッチの持続時間を比較すると、ひとつの筋群に対するストレッチ時間が90秒を超えると、それ以下と比較して筋力の低下があきらかになると報告されている(図 2)。それより短い時間のストレッチについては結果にばらつきがあるものの、短時間(45 秒以下)の静的ストレッチは、ほとんど筋力を低下させない(‒3.2%)のに対し、46~90秒では‒5.6%、90秒以上では‒6.1%とあきらかな低下を示すなど、短時間のストレッチでは筋力低下の影響は少ないといわれている。一方、動的ストレッチにおても時間と等尺性筋力、等速性パワー、1 RM の関係についてのレビューがあり、静的ストレッチの場合とは異なり、ストレッチによる低下は見られず,長時間のストレッチでは筋力が向上するとしている。このレビューによると、90秒以上の動的ストレッチによる筋力の向上(7.3%± 5.3)は,90秒以下(0.5%± 2.3)と比して有意であったとしている。

ストレッチによりパフォーマンスは変化するのか?

 動的ストレッチの筋力やパフォーマンスへの影響を調べるうえで、時間以外に重要なのはストレッチ強度である。この中でFletcherらはメトロノームを用いて速度をコントロールして実験を行った。彼らによると100回 / 分の速さで動的ストレッチを実施することで、50回 / 分と比較してカウンタームーブメントジャンプ高が向上し、さらに 50 回 /分でも非ストレッチング群と比べて有意な向上が見られたという。動的ストレッチでも静的ストレッチと同等の柔軟性の改善が得られるといわれており、パフォーマンスや筋力も向上する可能性のある動的ストレッチをウォームアップに取り入れるのは合理的なことであろう。このような結果から、Behmらは、速い動きや爆発的な動きが必要な場合、少しのパフォーマンスの低下も問題となる状況では静的ストレッチの実施には十分な注意が必要であること、静的ストレッチによる関節可動域の改善はあきらかなため、特に静的柔軟性が要求されるスポーツや健康増進のためには静的ストレッチもよいこと、特に長時間の動的ストレッチは神経筋システムを賦活化させ、パフォーマンスを向上させると結論づけている。

ストレッチは遅発性筋肉痛を防止するのか?

 ストレッチと遅発性筋痛の関係については、コクランレビューにおいて運動の前か後にストレッチを行い遅発性筋痛の発生について調査した12の研究が取り上げられている。これらの研究はほぼ同様の傾向を示しており、運動前のストレッチは運動 1 日後の痛みを100ポイントスコアで0.5ポイント低下、運動後のストレッチは1日後の痛みを−1ポイント低下させるという。半日後や3日後についても同様の傾向がみられた。コクランに含まれる12研究中最大の規模である対象者2,377名(うち,ストレッチング群1,220名)の研究では、運動前後にストレッチを行い、運動後1週間に気になる痛みがあったのはストレッチ群で24.6%、コントロール群で32.3%であり、ストレッチにより遅発性筋痛(筋肉痛)を軽減できることを示唆している。しかし、レビューでは、ストレッチによる痛みの軽減効果はわずかであり、臨床的に意味のある差ではないと結論づけている。ただし、遅発性筋痛(筋肉痛)の機序は依然未解明であり、筋線維中のサルコメア(筋肉における収縮の機能上での最小単位)の過伸張が遅発性筋痛(筋肉痛)の原因であるとの説が正しいと仮定すると、特に筋の短縮の見られる者に対しては,サルコメアの数を増やすようなストレッチングは有効である可能性もある。

 

この論文で分かること

  • 筋力、筋パワーはストレッチにて6割以上の人が低下する
  • ストレッチ時間が90秒を越えると明らかに筋力が低下する
  • 短時間の静的ストレッチは筋力低下にはならない
  • 動的ストレッチについては90秒を越えると筋力の向上に繋がる
  • ウォームアップに動的ストレッチを取り入れるのは合理的
  • ストレッチで遅発生筋痛(筋肉痛)を軽減できると示唆されている←軽減効果はわずか

                                    参考文献リンク

結論

 トレーニングをする前には動的ストレッチが有効である!

今回は2つの論文でしか比較出来ませんでしたが、2つの論文でも言っている事は大体同じだと思いました!

正直2つの論文を見るだけでかなり時間がかかってしまいましたw

今後は各動作、サプリなどの論文一つ一つ見ていこうと思います!w

記念すべき1個目の投稿をご視聴頂きありがとうございました。

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